リスティング広告を活用して、集客や売上向上を目指す企業は、インターネットの活用人口が増えるのに伴って増加しています。しかし、インターネット広告はただただ掲載するだけではなく、運用というタスクが存在し、競合の存在もあって簡単に結果を出すことが難しい場合も少なくありません。
このページでは、リスティング広告の改善の流れや改善にあたって注目するべきポイントなどを解説します。
リスティング広告の効果が出ない際によくある状況4選
リスティング広告で結果が出ていない場合、多くの人が陥いる状況になっている可能性があります。リスティング広告の効果が出ない際によくある状況について紹介します。
目標が適切ではない
リスティング広告で「結果がでていない!」と考えていたとしても、そもそも目標自体が適切な水準ではなかったという場合があります。
リスティング広告の場合、検索結果に広告を表示させることになるため、設定したキーワードの検索回数が広告が表示される上限になります。しかし、目標としている成果の数が検索されている数よりも多い場合には、どれだけ頑張っても目標を達成することはできません。
また、競合他社より極端に予算が少ないのに、同水準の成果を期待するのも難しいでしょう。自社の状況を踏まえて、適切な目標を設定できていないのであれば、リスティング広告で目標を達成することは難しいと考えましょう。
課題の把握ができていない
広告がうまく行っていない原因を適切に把握できなければ、適切な改善策を講じることができず、結果的にうまくいかない状況から抜け出すことができません。
リスティング広告における課題を把握するためには、リスティング広告のアカウントの構造や出稿の際の仕組みを理解し、日々の数字の変化などをチェックする必要があります。どちらも不明な場合、どこに問題があるのかを把握することができず、改善策を検討することも難しいでしょう。
そもそも予算が足りていない
リスティング広告は、出稿するのに費用が必要です。リスティング広告の場合、クリックした人の中からしか成果は発生しませんので、多くの成果を出したければそれに伴ってそれなりの広告予算が必要になります。
リスティング広告自体は、1,000円などの超少額の予算でも運用開始可能ですが、広告運用を行って成果を出していく場合にはそれなりの予算がなければ、結果が良かったのかどうかの検証も難しくなってしまいます。
LPや広告クリエイティブの検証が充分ではない
広告で成果を出すためには、広告管理画面内の数字だけではなく、LPや広告クリエイティブの出来栄えや効果も大切になります。
ただし、効果検証をするためには一定以上の検証できるほどの数値が必要になります。「広告を出稿して効果がなかった」と考えていても、そもそも広告の表示回数(Imp)が100件であれば、クリックが1件程度しかなくても不思議ではありません。そこから1件も成果と呼べるものがなかったとしても、これも不思議ではないでしょう。
LPやクリエイティブの検証には、多少のお金を時間をかけて、一定以上の数字を元に把握する必要がありますが、数字の蓄積を待つことができない場合には「よかったかもしれないクリエイティブ」を変更してしまう可能性があり、効果がでない永遠ループを辿ってしまう恐れがあります。
リスティング広告改善の流れ
リスティング広告運用がうまくいかない際の、改善に向けた流れについて紹介します。
1.課題の発見
まず最初に行うことは、課題を発見することです。当たり前ですが、課題を発見することができなければ、適切な改善策を考案することもできません。
リスティング広告の改善に取り組む際、最終的にどんな目的・目標を達成したいのかという最終ゴールを見据えたうえで課題を探していくことが重要です。認識しやすい最終ゴールは、「目標コンバージョン数」や「広告予算の消化具合」などでしょう。
最終ゴールを意識して、日々の数字を分解しながら追っていけば、どこに課題があるのかを発見できるはずです。
2.課題を解決するための方法を検討する
課題を発見したら、次に課題に対する改善策を検討します。例えば、クリック数が少ない(クリック率が低い)のが課題であれば、「広告文の変更」や「設定キーワードの変更」といった改善方法が考えられます。
改善策を考える際にポイントとなるのが、リスティング広告の仕組みを理解し、課題となっている部分のボトルネックを見極めることです。また、自社の状況からその改善策が実際に講じられるものなのかどうかも重要なポイントになります。自社の状況を踏まえながら改善策を考えていくと、実際に改善できるまでのスピードが上がります。
3.解決策を実行する
改善策が決まったら、実際にアカウントの管理画面に向かって改善策を実行します。先ほど例に挙げたクリック率向上を目指した改善であれば、広告文の変更やキーワードの見直しを実際に設定していきます。
管理画面内の設定変更の場合、広告の審査が発生する場合がありますので、即時反映できない可能性があることは認識しておくと良いでしょう。また、いつ何をどのように変えたのかを自社の管理表などに記録しておくことで振り返りがしやすくなるのでおすすめです。
4.改善後の効果を分析する
リスティング広告の改善は、実行して終わりではなく、改善策実行後に一定期間が経過したタイミングで、改善結果の分析を行い、どれだけ効果があったのかを検証する必要があります。
分析の結果、講じた改善策が想定していた結果が得られなかったということもありますが、その結果を次の改善に活かすことが大切です。PDCAサイクルを回し続けることで、効果的な広告運用にだんだんと近づいていきます。
【課題別】改善のための確認箇所と改善策
リスティング広告の運用改善のために、確認するべき箇所や考えられる改善策について紹介します。
【課題】広告のインプレッション(表示)数が少ない
インプレッション(広告の表示)数が伸びないという課題がある際の、改善案について解説します。インプレッションを増加させる目的は、最終的な成果獲得件数の増加です。「成果は獲得できているけど、根本の広告の表示回数が少ないことで成果獲得件数が伸びない」という際に、表示回数を増加させたいという考えに至るでしょう。
キーワードを追加する
リスティング広告は、「設定したキーワードをユーザーが検索する」ことがトリガーとなって広告が表示されるため、設定するキーワードを増やすことで表示回数増加が期待できます。
ただし、無作為にキーワードを追加するのではなく、自社の事業に関係し、成果が見込めるキーワードを追加することがポイントです。単純に無作為なキーワードを追加してしまえば、表示回数の増加は見込めますが、成果に繋がらない可能性が高く、結果的に広告費を無駄にしてしまいます。
それまでに出稿したキーワードの中で、成果に繋がっていたり、クリック数が多かったキーワードを参考に、新しいキーワードを追加すると成果に繋がりやすいキーワードを追加できるでしょう。
キーワードのマッチタイプを変更する
キーワードのマッチ対応を変更することも、表示数増加の課題の解決策として挙げられます。
マッチタイプは、設定する検索キーワードに対してどの範囲まで広告を表示させるかを決める設定のことで、「完全一致 < フレーズ一致 < 部分一致」の順で広告が表示される範囲が広くなります。
完全一致で広告を出稿し、効果が高かったものは、フレーズ一致や部分一致などで出稿範囲を広げて類似キーワードにも広告が表示されるようにするとよいでしょう。
ただし、フレーズ一致や部分一致で広告出稿をするとクリック率やコンバージョン率が下がるリスクもありますので、慎重に広げていくと良いでしょう。
広告ランクを上昇させる
リスティング広告では、広告ランクが上がることで掲載順位が高くなりやすく、広告表示の順番に表示回数が多くなりやすいため、広告ランクを高くすることも表示回数を増やす改善策の1つです。
広告ランクは、「入札単価 × 品質スコア +広告表示オプション」で表現できるため、それぞれの要素を上昇させることで、広告の表示回数アップが期待できます。
品質スコアは、キーワードと広告の関連性によって決まるため、設定しているキーワードと広告グループのまとめ方を整理したり、広告文をキーワードによって変更することでスコア上昇を期待することができます。
予算を増額させる
リスティング広告の管理画面に設定した日額予算が、ほぼ毎日のように上限に達している場合、予算が少ないことで制限がかかり、広告が思うように表示されていない可能性があります。
もちろん、広告費にかけられる予算は会社ごとにまちまちですが、広告費を現状よりも使えるような状況で表示回数が少ないのであれば、日額の広告予算の設定変更は1つの解決策となり得ます。
【課題】広告のクリック数が少ない・クリック率が低い
続いて、クリック率が低く、クリック数が少ないといった課題に対する改善策を紹介します。クリック率は、広告の表示回数に対してクリックされた割合であるため、広告クリエイティブの良し悪しの判断材料にされるケースが多いです。
広告文を改善する
クリック率が低い際の最も直接的な解決策が、広告文を改善することです。
クリック率が関係する段階では、まだユーザーに自社の広告文のみが表示されている状態ですので、広告文が最もクリック率に影響を及ぼすため、直接的な解決策といえます。
広告グループに設定したキーワードや、ユーザーが検索する際に考えていることを想定しながら広告文を作成することで、クリック率向上が期待できます。
出稿キーワードを見直す
リスティング広告は、広告グループに、キーワードと広告文が設定されている状態であるため、出稿キーワードに何を設定しているのかも広告のクリック率に大きく影響します。
出稿しているキーワードの中で、クリック率が極端に低いキーワードがあれば、それを停止することでクリック率を向上させることが可能です。また、キーワードのマッチタイプを変更し、出稿されるキーワードの範囲を狭めることでも、クリック率向上を期待することができます。
アカウント内の構成を見直す
リスティング広告は、キャンペーンの中に広告グループがあり、広告グループの中にキーワードや広告文が入っているという構造になっています。キャンペーンの設定はその下位になる広告グループ以下に影響しますし、広告グループのまとまりの構造によって、広告の表示やパフォーマンスに影響します。
そのため広告アカウント内の設定や、構成を見直すことで、適切なキーワードで適切な広告が表示されやすくなり、クリック率やクリック数向上を見込めます。
【課題】CV数が少ない・CVRが低い
続いて、広告はクリックされているが、CV数が思ったより出なかったり、CVRが低いという課題についての改善策を紹介します。
広告とLPの関連性を向上させる
広告文の内容とLPの内容が違っていれば、ユーザーがクリックしたあとに「思ったものと違った」と感じやすく、CVに辿り着く前にLPから離脱してしまう確率が上がります。
また、広告とLPの関連性が低いと評価が上がりにくく、出稿費用がより高くなったり、掲載順位が低くなったりと、成果が低い状態になるリスクが高まります。
そのため、広告文の内容とLPをできるだけリンクさせることで、広告の成果を最大限に引き出すことができます。
LPのCVRを改善する
直接的な改善策として、LPを改善し、CVRを向上させるという方法があります。
広告のクリックまでは順調であるが、LPでCVがなかなか発生しないということが課題だとすると、原因として考えられるのはLPのCVRの低さです。
LP内部のライティングの質や情報の過不足、フォームまでの導線の作り方やリードマグネットの質など、課題によって改善すべきポイントは様々ですが、LPを改善することで大幅にCVRを向上させることもでき、一気に課題が解決されるということも少なくありません。
LPは広告を出稿してデータをとってみないと、良し悪しがわからない場合も多いため、改善前のLPと改善後のLPの2種類を同時に利用してABテストをするなど、地道な改善への行動を続けていくことで確実にCVR向上を目指せます
CVを優先する入札戦略に変更する
リスティング広告を出稿する際に、広告の入札戦略を設定することができますが、入札戦略をCVを優先する入札戦略に変更することで、CVR向上を目指すことができる場合があります。
リスティング広告の入札戦略としては、「個別のクリック単価」や「クリック数の最大化」といったクリック数や単価を基準にした戦略だけでなく、「コンバージョン値の最大化」や「コンバージョン数の最大化」といった、コンバージョンに注目した入札戦略があります。
こうしたコンバージョンを優先する入札戦略に変更することで、広告アカウントがデータを学習し、次第にCVRが向上したりCPAが改善されていくことがあります。ただし、学習に一定のデータ数が必要なため、専門家に事前に相談することをおすすめします。
【課題】コストが多くかかりすぎている
次に、思ったよりもコストが多くかかり過ぎているが、成果がコストに追いついていないという場合について改善策を紹介します。
出稿キーワードの見直し
想定よりもコストが多くかかっている場合、無駄なキーワードに広告を出稿し、成果に繋がりづらいクリックにお金を払っている可能性があります。
そのため、自社の出稿キーワードを見直し、クリックが発生しているものの成果に繋がっていないキーワードを見つけ出して停止したり、出稿キーワードのマッチタイプを狭めたりなどの対策によって、無駄な支出を減らすことができるため、費用対効果が改善しやすいです。
品質スコア(広告ランク)の改善
リスティング広告は、実際に発生する費用は、品質スコアによって大きく左右されます。品質スコアが改善されれば、同じ掲載順位でも1クリックあたりの単価が下がるため、品質スコアを改善することで、コストが多くかかっている状況を改善できます。
品質スコアを改善するためには、広告とLPの関連性やLPの利便性を改善する必要があります。広告の管理画面でどこがよくないのかを判断できますので、各キーワードの数字が閲覧できる広告グループ内で、品質スコアに関する数値を表示させて、ボトルネックがどこにあるのかを確認してみましょう。
日額予算の見直し
コストが想定よりもかかってしまう原因が、日額予算の設定が適切でないからという場合があります。リスティング広告では、キャンペーンなどに設定する日額予算に対して30.4日分が1ヶ月の費用の上限になります。
参考:Google広告ヘルプ
もし、自社で設定している日額予算が、月に使用できる予算を30.4で割った数字よりも高い場合は、予算よりも多く費用を消化してしまう設定になっています。月の予算と設定を比較して、適切な予算設定ができるように調整しましょう。
リスティング広告を改善するためのチェックポイント5選
実際の改善に取り組む際、主にチェックすべきポイントが5つありますので、それぞれを紹介します。自社の状況に合わせながら確認してみてください。
1.社内の目標及び広告運用の目的を確認
まずチェックすべきは、社内の売上目標や広告運用での目標・目的です。管理画面では上手くいっているとしても、社内の目標をクリアしていなければ、会社としてリスティング広告に投資するのを辞めるという判断を下さざるを得なくなります。
また、自社の目標がどう考えても無理難題のレベルの目標である場合、どれだけ努力をして広告を改善していっても、その水準まで届かないであろうということもあり得ます。
リスティング広告を運用するのであれば、「広告を活用してどの程度の売上(利益)を出せばいいのか」を社内で検討し、具体的な数字目標を掲げることで、効果測定や課題改善を実施しやすくなります。
2.予算の確認
日額予算が毎日のように上限に達しているにもかかわらず、表示回数に不満があったり、効率が良いのでもっと広告を表示したいという場合には、予算を増額することで改善することが期待できます。
しかし、会社として現状以上の広告費を投資できない場合には、投資できるようになるまで現状以上を維持する必要があります。逆に、確認したところ思ったよりも予算に余裕がある場合もあるため、そうした場合には予算額の変更だけでも改善する可能性があるでしょう。
3.ターゲット
自社の広告を改善するためには、そもそもどんな人をターゲットとした広告なのかを把握することも重要です。ターゲットが明確になっていれば、設定するキーワードも決まりますし、広告文のある程度尖ってきて、ターゲットに刺さる広告を作ることができます。
逆に、ターゲットをふわっと認識してしまうとキーワードも広告文もLPも、刺さりにくい広告になってしまう可能性が高くなります。
4.事業の特性
広告を作成する際には、ターゲットだけでなく、自社の事業の特徴や特性などについて理解することも重要です。特にリスティング広告は、一度に数社の競合他社と同時にユーザーに表示されることが多いため、広告文で他社との差別化を行う必要があります。
また、業界や業種、購入タイミングなどに大きな特徴がある場合には、出稿キーワードを少し変更するだけで一人勝ちできる可能性もあります。そのため、自社の事業の特性を理解し、他社と比較しながら広告を検討していくことで、より効果の高い広告に変えていけるでしょう。
5.マッチタイプと入札戦略
リスティング広告特有の概念が、キーワードのマッチタイプです。出稿キーワードをどれだけ「拡大するか」を決めることができるのがマッチタイプですが、安易に最初から広げすぎると管理がしにくく、パフォーマンスが悪くなりやすいです。
また、近年のWEB広告では自動入札の機能が発達し、「何を基準にパフォーマンスを改善するか」を決める入札戦略をどうするのかによっても、パフォーマンスが大きく変化します。
マッチタイプや入札戦略といった概念や設定方法を理解し、自社の状況からどのような設定がいいのかを考えることで、リスティング広告としての最適な運用に近づいていきます。
まとめ
リスティング広告の運用は、シンプルなようにみえて、意外と改善策は多岐に渡ります。また、競合とのオークションの結果が数字として出てくるため、改善策を講じてもすぐには、結果がついてこないことも少なくありません。
そのため、できるだけ適切な改善策を、トライアンドエラーを繰り返しながら中長期的な目線で行っていくことが大切になります。自社で運用を行っていくリソースがないという場合には、当社カーテンコール株式会社にご相談ください。
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