Webマーケティングの代表的な手法の1つであるSEO対策。SEO対策は、うまくいけば無料で大量の集客ができ、自社の業績を大きくアップさせられる可能性がある一方、基本的なルールやポイントを外してしまうと、意味のない作業やお金を浪費してしまうことに繋がります。
また、「頑張ってSEO対策を行ったが意味がなかった」といった声もよく耳にすることでしょう。
そこでこのページでは、SEO対策が意味がないと呼ばれる理由や、意味がなくなってしまったSEO対策、SEO対策として効果の高い今すぐやるべき施策について紹介します。
現在SEO対策を行っているが効果が出ないと悩んでいる場合には参考にしてみてください。
SEO対策は意味がないといわれる理由3選
Webマーケティングの中でも、費用が少ない状態でも取り組むことができるのがSEO対策ですが、時間をかけて施策を行ったものの思ったような成果が出ず、「SEO対策は意味ないのでは?」と考えてしまう方も少なくありません。
そこで、SEO対策は意味がないと思われてしまう理由を3つ紹介します。
アルゴリズムアップデートで対策が変わってしまうから
1つめの理由は、Googleアルゴリズムアップデートで順位が大きく変動してしまうことがあるからです。
SEO対策がうまくいって、狙ったキーワードで上位表示できていてアクセスが伸び、事業上の成果も出ていたにもかかわらず、アルゴリズムアップデートによって突然順位が下がり、アクセスが激減し、成果が0になってしまったというケースは少なくありません。
検索エンジン最大手のGoogleは、ユーザーに役立つ情報ができるだけ上位に表示されるように常にアルゴリズムアップデートを実施しています。特に、コアアルゴリズムアップデートと呼ばれる年に数回程度行われる大規模なアップデートでは、掲載順位が大きく変わってしまうこともあります。頑張ってSEO対策をしてもアップデート一発で順位が大きく変わってしまえば、SEO対策って意味ないのでは?と感じてしまうのも無理はありません。
しかし、GoogleはGoogle自身が発表している「ユーザーの利便性を高める」という方針やガイドラインに沿ったアルゴリズムアップデートを行なうため、それまで行ってきたSEO対策がユーザーにとって利便性を高める形で行われていれば、アルゴリズムアップデートによって順位が大きく下がることはそこまで多くありません。
もしかすると、それまで行っていたSEO対策が小手先のテクニックに頼ったものであったり、本質的なSEO対策ができていなかったりという可能性があります。これらの課題を解決することができれば、比較的安定した上位表示を維持できる可能性が高く、SEO対策を行うメリットを感じることができるはずです。
SEO上位になっても成果に繋がらないから
2つめは、SEO対策を行って上位表示ができサイトへのアクセス数が増えたにも関わらず、事業上の成果や収益が増えない場合です。
大抵の会社はSEO対策を行う目的は、とりあえずアクセスが伸びればいいというわけではなく、何かしらの事業上のメリットを得るためであることがほとんどです。
自社事業へのお問い合わせを取りたい、自社ECサイトの注文数を増やしたいなど、会社によって最終的に目指したい目標は変わってきますが、アクセスが増えても成果が増えないのであれば、コンテンツの書き方や訴求、対策するキーワード選定が適切でない可能性が高いです。
検索したユーザーは、ページの中に自分の求める情報がなければ離脱しますし、求める情報が記載してあったとしても内容がわかりにくい場合には最後まで読んでもらえません。そして、読んでもらえたとしても、自社の展開する商品やサービスが検索してコンテンツを読んでくれたユーザーにとって、欲しいと思うものでなければ成果に繋がることは少ないでしょう。
SEO上位になって流入数が増えても自社の成果に繋がらないということで、SEO対策の意味がないと考えている場合には、自社の商品・サービスの訴求方法は適切か、そもそも対策しているキーワードは自社にとって適切なのかを見直してみると良いでしょう。
効果が出るまで時間がかかるから
3つめは、SEO対策を行ったものの成果がなかなか得られないということに起因します。
SEO対策を行っても、多くの場合結果が現れるのは数ヶ月以上先になります。そのため、SEO対策を行った努力・労力と結果の因果関係が判別しにくいところがあり、SEO対策は意味がないと感じてしまうのです。
また、そもそも全く結果が出ていないということも考えられますが、これも効果検証まで数ヶ月はみなければならず、なかなか待ちきれず、実は成果が出るはずなのに結果が出ないと考えてしまい、意味がないと判断している例もあります。
しかし、中長期的に見ればGoogleのガイドラインや方針に沿ってユーザーファーストでサイトを構築、コンテンツを更新していることで一定の成果が出てきます。まずはSEO対策には中長期的な視点が必要であることは覚えておくとよいでしょう。
SEO対策を行っても成果が出ていない原因
SEO対策は、注意すべきポイントを抑えていても、成果に繋がらないケースもあります。SEO対策を行ってもなかなか成果がでない原因としては以下の3つが挙げられます。
サイトを立ち上げてすぐ
1つめは、サイトを立ち上げて間もないタイミングであることです。
検索エンジンでの評価軸として、サイトの構造的な内面の問題、コンテンツそのものの内容、外部からの評価の3つの軸がありますが、サイトを立ち上げて間もないタイミングの場合、外部サイトから被リンクがほとんどないケースが多く、サイト外部から受けている評価の部分がほとんどゼロに近いケースがほとんどです。
また、サイトを立ち上げてすぐの場合にはサイト内にそこまでコンテンツが多くない場合も少なくなく、リンク構造などの点においてサイトの構造的な内面の評価が定まり切らずに評価が低い傾向にあります。そのため、どれだけ良いコンテンツを制作したとしても評価されにくく、SEO対策の成果を感じることが難しいのがサイトを立ち上げてすぐのタイミングなのです。
上位表示をするには、継続した対策とコンテンツ制作が必要であることを覚えておきましょう。
キーワード選定が適切ではない
2つめは、キーワード選定が適切でないケースです。SEO対策において、キーワード選定は次の2つの観点から重要なポイントとなります。
1つは、ライバルとの競争に勝てるかどうかという点です。そのキーワードで上位に表示されるサイトがSEO対策をおろそかにしている場合、比較的簡単に自社が上位表示できるでしょう。一方で、上位表示しているサイトがSEO対策を万全に行っている場合、それらのサイトを押しのけて上位に表示させるのは簡単なことではありません。そのため、どのキーワードを狙うのかは極めて重要なポイントになるのです。
2つめは自社の成果に繋がるかどうかという点です。例えば、SEO対策のコンサルティングを販売している会社にとって、「SEO対策とは」と「SEO対策 相談 会社」という2つのキーワードで比較すると、後者のキーワードのほうがすでに「相談する会社を探している」と想定でき、流入してきたユーザーに自社のサービスを進めた時に、成約してくれる可能性が高いと想像することができます。
一方で、「SEO対策とは」というワードで検索しているユーザーは、「SEO対策ってそもそもなに?」ということを調べているだけなので、ユーザーはSEO対策コンサルサービスに興味を持たない可能性も比較的高いはずです。このように、競合性や成果に繋がりやすさが関係するため、適切なキーワード選定ができていない場合には頑張ってもSEO対策が成果に繋がりにくいのです。
競合と比べて負けている
検索エンジンは、とあるキーワードに対してそのキーワードに対して、最適だと思われる順番で掲載順位が決定します。そのため、自社がどれだけSEO対策を頑張ったとしても、それ以上に最適だと考えられるサイトがあればそのサイトが上位に表示されるというわけです。
これを解消するには、対策したいキーワードの上位のサイトを分析し、それらのサイトより自社サイトが劣っている部分を1つ1つ潰していく作業が必要になります。
もはや意味のないSEO対策5選
SEO対策と一言で表現しても、様々な歴史があり、その中では現代ではもうほとんど意味がなくなってしまった対策の方法があります。SEO対策において、一部のブームや時代を築いたといえる、現代ではもはや意味がなくなってしまったSEO対策5選を紹介します。
とにかく長文にするコンテンツ制作
一時期、「長文コンテンツであればあるほど検索上位を取りやすい」という傾向があり、各社意味もなくとにかく長文のコンテンツを制作する時代がありました。一部の会社では、1万文字程度の記事を作り、1つのページのなかでほぼ丸々2回繰り返すという荒技を使っていたこともあるほど、意味のない長文コンテンツ制作のSEO対策は流行しました。
しかし、度重なるGoogleのアルゴリズムアップデートによって、単純な長文コンテンツを制作するという小手先のテクニックは意味がなくなり、現在ではユーザーの検索ニーズ(ユーザーが検索を通して何がしたいか(知りたいか)を汲み取って)を満たすことにフォーカスしたコンテンツが上位に表示されるようになりました。
不必要なキーワードの詰め込み
過去には、1つのページに対策したいキーワードをとにかくたくさん詰め込むという手法が流行し、検索上位を席巻したことがあります。
とはいっても、キーワードをたくさん詰め込むと人間は読みにくいので、背景色と同じ文字色でキーワードをたくさん詰め込むというテクニックが流行したのですが、もちろんこれはユーザーにとってよくないことですので、現在では意味がなくなるようにアップデートされています。
現在では、キーワード量が少なくても、コンテンツの内容がユーザーの検索意図・ニーズと合致していれば問題ありません。逆に、現在では無闇にキーワードを詰め込みすぎると、意味がないだけではなくペナルティを課されて順位下落に繋がる場合もあるので注意が必要です。
大量の自演被リンク
Googleの検索エンジンは、論文の引用を参考にして、「そのサイトへのリンクがどれだけついているか」を重要な検索順位決定のアルゴリズムとして用いています。特にGoogle誕生からある程度の時期までは、被リンクの数への比率が大きく、自作自演でも良いのでとにかく自社サイトに大量のリンクを設置することで検索順位を上げることができていました。
しかし、これも検索順位を小手先テクニックでハックする形となり、度重なるアップデートによって大量の自演被リンクをつけてもそれだけでは順位が上がらないようになり、悪質な場合にはペナルティが科されるようになりました。
ただし、検索アルゴリズムの中には被リンクを評価するものは確実に残っているため、行き過ぎた大量の被リンクは意味のない対策になっていますが、高品質なリンクは検索結果の順位に大きな影響を及ぼします。
関連:被リンクのSEO効果はどれくらい?注意点とリンク獲得方法
metaキーワードの利用
metaキーワードとは、HTML内に設定できるキーワードのことで、2009年まではこのmetaキーワードに対策したい検索キーワードを入れるかどうかで、検索結果の順位に影響が出ていました。2009年以降、検索結果のアルゴリズムに採用されなくなったため、metaキーワードを利用したSEO対策は意味のないものになっています。
ただし、SEO対策には現在では意味のないものとなったmetaキーワードですが、設定をしてなにか不具合があるわけでもなく、ページの説明や分類の際に役立つこともあるため、metaキーワード自体を使用すること自体は悪くはありません。
低品質コンテンツの量産
ページやサイトが定期的に更新されているかどうかは、現在でも検索結果アルゴリズムに影響を及ぼしているといわれていますが、一昔前まではそれが顕著でした。そのため、サイトの中で品質が低くとも定期的にページを更新し続けることで、一定の評価を得ることができ、検索結果の上位表示ができることがありました。
ただし、現在ではサイトやページの更新頻度は重要な項目ですが、それ以上にコンテンツの品質に重点が置かれており、低品質なコンテンツを量産しているとそのページがSEOで上位が取れないだけでなく、サイト全体としてマイナス評価を受けることに繋がってしまいます。
そのため、単純にコンテンツを量産するだけでは意味がなく、ユーザーに配慮したコンテンツを作り続けることが求められています。
今すぐやるべき施策
意味がない(なくなってしまった)SEO対策というものは確かにありますが、SEO対策を実行し、検索結果の上位を取ることができれば、爆発的なサイト流入を獲得できる可能性があるのも事実です。
そこで、意味のあるSEO対策として次の施策が挙げられます。
Googleのガイドラインに沿ったサイト設計
2023年時点、日本におけるスマートフォンの検索エンジンのシェアTOP3は、Google(80.2%)、Yahoo!(18.2%)、Bing(0.6%)となっています。しかし、Yahoo!の検索結果のアルゴリズムはGoogleのものを用いているため、実質Googleが独占している状態にあります。
そのため、SEO対策を行う際に「Googleが何を考え、何を良しとするのか」をベースにサイトを設計することは重要になります。
Googleのガイドラインはこちらを参考にしてください。
ユーザーファーストでコンテンツ制作
Googleのポリシーに関わってくる点ではありますが、自社の独自のコンテンツかつユーザーが知りたいであろう情報をコンテンツとして適切にまとめれば、検索結果の上位に進出できる可能性が高まります。
過去のSEOは小手先のテクニックで検索結果上位を獲得する方法が流行していましが、昨今では様々なアルゴリズムアップデートの影響により、小手先のテクニックよりもコンテンツやサイトの中身がユーザーにとって優れているものかどうかが重要になってきています。
また、検索結果をハックするような小手先のテクニック論は、順位の上昇は確かに見込めますが、Googleのアルゴリズムアップデートで順位の下落を招きやすく、結果的に不安定な対策になってしまうことが少なくありません。
そのため、自社のコラムや記事コンテンツの制作時にも、小手先のテクニックではなく真にユーザーを意識した制作を行うことができれば、目線のアルゴリズムアップデートに一喜一憂する必要がなくなります。
質の高い被リンク獲得
大量の被リンクを獲得することが何よりも重要だった時代が過去にはありましたが、現在は質の低いリンクを集めてしまうとペナルティを科されるリスクがあります。
しかし、現在においてもSEO対策における被リンクの重要度は非常に高く、現在では大量のリンクを獲得するというよりも、質の高いリンクを獲得することが重要になっています。
質の高いリンクとは以下のようなサイトからのリンクです。
- 業種・業態に関連するサイト
- 大手比較サイト
- ポータルサイト
- 行政や協会などのサイト
これらのサイトのうち、行政や協会などのサイトに関しては、公的機関が実施するキャンペーンへの参加や協会への加入によってリンク獲得が可能です。また、比較サイトや関連サイトからのリンクは各サイトからの問い合わせフォームにリンク依頼をしたり、競業したりすることによってリンクを獲得できる可能性があります。
自社の無理のない範囲でリンク獲得を目指していくことをおすすめします。
内部リンク構造の設計
SEO対策を始める際に、忘れてしまいがちなのが内部リンク構造の設計についてです。内部リンクとは、自社サイト内で完結するリンクのことで、内部リンクが集中するページをGoogleのロボットは重要なページであると認識しやすく、内部リンクの設置の仕方も検索結果順位に影響を及ぼします。
また、内部リンクを適切にページ内に設定することによって、自社サイト内でのユーザーの回遊度を高めることもできますし、コンテンツの流れに沿って自社サービスを紹介することで流入数アップだけで終わらずに、自社事業に対する成果向上も見込むことができます。
CVまでを意識したキーワード選定
SEO対策を行う企業は、SEO対策によって流入数が増加した”後”に何か得たい成果があるはずです。その成果は、運営する事業によって異なりますが、大抵の場合には「商品の購入」や「サービスの購入」に該当するでしょう。
運営している事業がtoCかtoBかによって、サイト上で売上が確定するのか、営業人材のオフラインでの商談が必要なのかも変わりますが、サイトに流入してきた人を見込み客(顧客)に変えて、売上や利益に繋げたいという意識があるはずです。
その点から考えると、検索したユーザーの中でも見込み度合い(検討度合い)の高いユーザーのアクセスを集めるのが最も効果的で効率的であるといえます。具体的には、「⚪️⚪️ おすすめ」や「⚪️⚪️ 比較」、「安い ⚪️⚪️」など購買行動に直結するワードで検索しているユーザーは、自社の利益に繋がりやすいユーザーだと考えられます。
こうしたCVまでを意識したキーワード選定を行うことで、「アクセスは集まったけど成果が出ない」ということがなくなり、意味のあるSEO対策を実行できます。
SEO対策を行う上で重要な考え方
ここまで紹介した内容を踏まえ、小手先のテクニック論ではなくどの時代でも通用する、SEO対策を行う上での重要な考え方について紹介します。
SEO対策を行う上で、最も重要な考え方は「常にユーザーファーストを意識すること」です。
Googleが掲げる10の事実というGoogleのポリシーを表明したページには、「ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる」ということを第一に表明しており、Googleは常にユーザーファーストで物事を考え、検索結果にもそれが反映されています。
これは、ユーザーが満足できるコンテンツを提供することは大前提ですが、サイトの使い勝手や必要な補足情報にどれだけアクセスできるかなどの利便性も重要であることを示しています。
流行のSEO対策で検索結果をハックし、急速に収益拡大を目指すこと自体は悪いことではありませんが、中長期的に評価され、意味のあるSEO対策を検討する際には、常にユーザーファーストであることを意識することでGoogleから評価されやすいサイトになることは間違いありません。
意味があるSEO対策で自社の業績アップに貢献しよう
短期的にSEO対策を進めたものの、アクセスが増えない、自社事業に対する成果が増えないからといってSEO対策は意味ないものであると決めつけ、諦めてしまうことは非常にもったいないです。
適切なキーワードに対して、適切なコンテンツを制作し、サイト自体が検索エンジンに情報を提供しやすい形にすることで、目指していた成果が少しずつ見えてくることも少なくありません。
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